11月に続き、2回目となる3Dプリント体験コミュニティイベント「ヨルラボ」の初心者コースを開催しました。
「3Dプリント技術に興味はあるけれど経験がない」という方のために、Tinkercad(ティンカーキャド)というソフトウェアを使用した3Dデザインを体験し、実際に3Dプリントを行なうイベントです。レポートをお届けします。
■プログラム
①オリエンテーション
・3DプリントとCADデザインの基本を簡単な座学で学ぶ
②Tinkercadの基本操作
・Tinkercadを使用して、簡単な3Dデザインを作成する実習する
③3Dプリントの準備と体験
・デザインを実際に3Dプリンターでプリント
④Q&Aセッション
・3Dプリントやデザインに関して質疑応答
⑤作品のお披露目とフィードバック
・完成した3Dプリント作品を受け取り、作成結果を確認する
⑥まとめ
・今日の学びの振り返りと、次のステップについて
■ファシリテーター
オープンイノベーションフィールド多摩
三木 直哉
オープンイノベーションフィールド 多摩施設運営受託者 統括責任者
カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社所属
活動内容:オープンイノベーションフィールド多摩・国分寺館にて、プロトタイプラボの活用促進を推進。
■初心者向けの「ヨルラボ」について
開発促進プロセスに3Dプリントを取り入れることで生まれる可能性(開発速度の向上、歩留まりの向上など)について検討するため3Dプリント体験コミュニティ「ヨルラボ」を毎月催し、10月には5回目を迎えました。
その中で、より初学者の視点でのサポートと技術の普及へのニーズを感じ、11月より初心者向けの「ヨルラボ」が発足しました。この会では、初心者でも参加しやすい「学びと交流の場」を提供することを目指します。
■座学編
まず3Ⅾプリンターに関する簡単なクイズからはじまり、3Ⅾプリンターの種類、3Ⅾプリンターの仕組み、3Ⅾプリントの簡単な流れ、拡張子の種類、CADソフト、モデリング手法を学びました。
■実技編
座学編で得た予備知識を役立てながら、作品づくりに挑戦です。
1.データ作成:作りたい物の3Dモデルを作成。3Dプリンター用のデータに変換(STL)
2.3Dプリンターの出力設定:スライスソフトをつかって、Gコードを作成
3.3Dプリント:作成したデータをプリンターに入力・生成
という3ステップで進めました。
特に、ステップ1の「データ作成」へ注力して、参加者自身ですべて完成させました。
「データ作成」では、Tinkercadを使用し、以下の5つの基本操作を用いて3Dモデル作成しました。
① 図形の追加・削除
② マウス右ボタンでカメラの向きを変更
③ ホイールボタンでカメラの位置変更
④ 図形のサイズ・角度の変え方
⑤ グループ化による結合・分離
参加者が基本操作に慣れる時間が設けられた後で、ファシリテーターから本日の課題「縦3㎝×横5㎝×高さ3㎜の名札づくり」が発表され、参加者は思い思いに、基本操作を使いながら30分ほどで3Ⅾモデルを作成してデータに変換しました。
その後のステップ2・3は、ファシリテーターがスライスソフトの説明をしながら、PCでの作業を参加者に見せる方法で進めました。参加者がステップ1で作成したデータを、ファシリテーターが集め出力設定を行い、用意していた3台の3Ⅾプリンターに入力を振り分けて生成をはじめます。
3Ⅾプリンターは印刷完了まで30分ほどかかるタイプもあり、その間でファシリテーターから3Ⅾプリントが活用されている「フードプリンター」「義足」「住宅」など実用化された例が紹介されました。
3Ⅾプリンターでの印刷が完了すると、ファシリテーターから参加者に作品が手渡され、ファシリテーターから「本日、参加された方は、初心者から経験者となったこと」が伝えられ、更にテクニカルな内容を学ぶ「ヨルラボ」実践編を案内されて、終了となりました。
■参加者の感想
・目的としていたことを達成できた
・今後のやる気になった
など
■まとめ
3Ⅾプリンターを使ってご自身が作りたい物のイメージをしっかり持たれた方が集まった会でした。今回は、「ヨルラボ」実践編の講師の東方秀樹氏も会場に来てのサポートもあり、ファシリテーターと東方氏が、参加者に寄り添いながら、3Ⅾプリントの「はじめの一歩」を見届けていました。参加された方が仕事に持ち帰り「ものづくり」の可能性が広がるとよいと感じました。