はじめに
7月25日(金)、オープンイノベーションフィールド多摩八王子館にて、「補助金を武器にする!〜挑戦を後押しする資金調達実践セミナー〜」を開催いたしました。
本セミナーでは、中小企業診断士の萩野久子氏をお招きし、中小企業の経営者や起業を検討している方を対象に、補助金・助成金の基本的な知識から戦略的な活用方法まで、実践的な内容をお伝えいただきました。
1. 補助金・助成金の基本理解と戦略的活用
補助金・助成金とは何か
株式発行や融資と並ぶ資金調達手段として位置づけられる補助金・助成金は、基本的に国や都道府県、市区町村から支援される返済不要の資金です。
しかし、「戦略なき補助金頼み」は、悲劇を生んでしまうこともあります。高額な設備を導入したものの、マーケティング不足で稼働率が悪く、自己資金分すら回収できなかったという事例もあり、補助金獲得をゴールにしないことが大切です。
経営戦略策定の重要性
より効果的に補助金を活用するためには、自社に合った補助金を選ぶことが大切です。事業計画を立ててから必要設備を選定し、経営戦略と整合性の良い補助金・助成金を探しましょう。
特に、新規事業への挑戦を検討している事業者にとって、補助金・助成金は最高のツールであり、以下のような場面での活用がオススメです。
• 新製品開発:技術支援、設備投資支援
• 新市場参入:販売チャネル開拓支援
• 新販売方式:販売促進支援
2. 具体的な補助金制度の紹介
ものづくり補助金
「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」は
中小企業・小規模事業者の革新的な新製品・新サービスの開発や海外事業による国内の生産性向上に必要な設備投資等の一部を補助します。補助上限額は従業員数に応じて750万円から2,500万円となっています。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は小規模事業者が販路開拓や生産性向上を目的として行う取り組みを支援するものです。補助上限は50万円で、補助率は2/3となっており、比較的申請しやすい制度として位置づけられています。
3. ワークショップ:事業計画立案の実践
中長期事業計画の策定プロセス
セミナーの後半では、参加者が実際に事業計画を立案するためのワークショップが実施されました。
事業計画立案の過程で出た検討事項が補助金・助成金申請書の記載内容の材料になっていく、以下の3つのステップを提示しました。
ステップ1:現状分析と課題の明確化
• 情報収集(取引先別売上高、仕入高、経費、人事の状況等)
• 現状分析(問題認識、要因分析等)
• 課題抽出と整理(重要性、優先順位、タイミング等)
ステップ2:課題解決策の策定と市場検証
• 課題解決策の立案
• クロスSWOT分析やマーケティング実施による検証
• 「自社の強みを生かした、市場チャンスを生かせる取組みか?」「市場で他社優位に立てそうか?」という観点での評価
ステップ3:具体的な事業計画への落とし込み
• ビジネスコンセプト(誰に?何を?どのように?)の明確化
• 企画策定から事業化の検討
• 補助金・助成金申請書への展開
講義を踏まえ、参加者の皆様には現状分析の一環として、SWOT分析に取り組み、自社の強みやコンセプトを今一度見直していただきました。
まとめ
講師から最後に、
「人任せにしない、経営者自らの頭で考え、自社の人材を活用すること。そうすれば、必ず、実力が備わってくる。それが補助金・助成金が事業成長に効く、本当の理由です。」というメッセージを改めてお伝えいただきました。
セミナー終了後、参加者からは以下のような貴重な感想をいただきました。
「自分の事業の計画を人任せにしてはいけない、という言葉が響きました。」
「経営戦略をしっかりと立てることの重要性が理解できました」
大切なのは単なる補助金の申請テクニックではなく、経営の根幹である事業計画策定に向き合うことであると、参加者の皆様に実感していただけたのではないでしょうか。
当セミナーが「まずは自社の事業計画を見直す。その延長線で、タイミングが合えば補助金・助成金を申請する」
優先順位のつけ方の違いに向き合うきっかけとなれば幸いです。
中小企業診断士
萩野 久子氏
- 学歴:筑波大学第一学群自然学類卒業(物理学専攻)明治大学法科大学院修了(法務博士)
- 職歴:システムエンジニア
- 保有資格:中小企業診断士・1級販売士・消費生活専門相談員・行政書士
- ・情報処理技術者(アプリケーションエンジニア・情報セキュリティマネジメント)
- 得意分野:経営革新計画策定支援、助成金・補助金支援、
- 業務分析&IT導入支援、創業支援、商店街支援、地域ブランド創出等
- 趣味:温泉巡り、食べ歩き、フラダンス
- 好きな所:南の島!サンゴ礁の海!!
今後もオープンイノベーションフィールド多摩 八王子館では多摩地域の中小企業の皆様にとって有益な情報を届けてまいりますので、足をお運びください。