2月20日(木)に実施したイベントの内容をお届けしています。
気になっていたけど申し込めなかった、OiFってどんなイベントをやっているのか等、ご興味のある方は是非ご一読ください。
はじめに
2月20日(木)、OiF八王子館では「いまさら聞けないGoogleアナリティクス(GA4)の活用法~初級編講座~」というイベントを開催いたしました。
GA4とはGoogleが提供する無料で利用できるアクセス解析ツールです。 特に、ウェブサイトやオンライン広告の効果を正確に把握するためにGA4を活用することは、企業経営者やフリーランス、Web管理者にとって重要なスキルです。 本イベントでは、一般社団法人ウェブ解析士協会(WACA)の井水 氏をお招きし、GA4が具体的にどのようにビジネスに活かせるのかを解説いただきました。
1. データ活用の重要性
データを収集するだけでは意味がない
GA4を導入すると、ウェブサイトの訪問者の行動を詳細に分析できます。しかし、データを聞くだけでは成果につながりません。大切なのは、「なぜこの数値が出たのか?」を分析し、次のアクションを決めることです。
サイトの訪問者数だけが増えても、成果(購入・問い合わせなど)に繋がるとは限りません。
- 訪問者はどこから来たのか?(検索エンジン、広告、SNSなど)
- どのページを見たのか?(トップページのみか、複数ページを回遊したのか)
- 滞在時間はどれくらいか?(すぐに抜けたのか、しっかり読んでいるのか)
このようなデータを分析することで、「施策が有効だったのか?」が判断できます。
ケーススタディ
ある英会話学校では、ウェブサイトのトップページに掲載する画像を3パターン(A・B・C)用意し、効果をテストしました。多くの人が「AかCが良いのでは?」と予想していましたが、資料請求が最も多かったのはBでした。
GA4で訪問者や資料請求に繋がったユーザーの動きを分析すると、「Bのデザインが受験対策を重視する親に刺さった」ことが分かりました。データを正しく分析すれば、直感では認識できないユーザーの本音が見えてきます。
2. GA4とは
数字から仮説をつくる
HP上で、新しい記事を配信し、クリック数が増えたのに成約率が落ちた場合、この記事を「失敗」とするのではなく、次のような視点で分析が必要です。
- 訪問者はどこから来たのか?(検索エンジン、広告、SNSな)
- 広告とランディングページの訴えが一致しているか?
- 問い合わせ・購入ボタンの配置やデザインは正しいか?
データは仮説をたてる起点として活用すれば、次の広がりに生かすことができます。
3. GA4でわかることや活用法
① コンバージョン率を上げるには?
コンバージョン(CV)とは、サイトのゴール(購入、お問い合わせ、資料請求など)が達成された割合です。GA4を活用すると、「どのページがコンバージョンにつながりやすいか?」を分析できます。
例えば、以下のようなデータを分析すると、成果を出せるサイト運営が可能になります。
- クリック率の高いページを特定し、需要のあるコンテンツをTOPページ掲載
- 改善ポイントを見つけ、ボタンの配置やデザインを変更する
②放出率を下げるには?
GA4を使えば、どのページでユーザーが離脱しているかがわかります。
- 離脱が多いページを特定し、改善点を発見
- 問い合わせ・購入ボタンの構成を見直し、ユーザーの次のページに誘導する
- フォームの入力項目を減らし、コンバージョン率を向上させる
4. レポートの見方と使い方の勘所
GA4には、標準レポートだけでなく「探索レポート」という機能があります。これは自分で設定する必要があり、少々難易度は高いですが、これを活用すると、ユーザーの行動パターンをより詳細に分析できます。
探索レポートの主な活用方法
- ファネル探索者:ユーザーがどの段階で離脱しているのか確認
- ユーザーフロー分析:サイト内での移動経路を理解する
- コンバージョン別セグメント:成果につながったユーザーの特徴を分析
5. サイト改善で売り上げが向上した事例
一般社団法人ウェブ解析士協会の事例
一般社団法人ウェブ解析士協会のTOPページでは、ウェブ解析についての記事へのリンクなど多くの情報を掲載していましたが、ページのスクロール率やエンゲージメント率などを分析したところ、中でもウェブ解析士とは?という記事が多くクリックされていることがわかりました。そこから、TOPページの情報を整理し、ウェブ解析士の情報をまとめて、記事へのリンクを減らして、シンプルな導線を作ったところ、他のページへの遷移率が17.3%から36.9%に上がりました。
このように、GA4の探索レポートを活用すると、より効果的な改善が可能になります。
まとめ
リアルな店舗では売り場や接客への反応がダイレクトにわかりますが、ウェブサイトではどこで買う判断をしてくれているのか、またどこで離れてしまうのかがわかりません。
ウェブサイトを改善していく中で、今風にビジュアルをスライドさせよう!など所感によってなんとなく変更を繰り返してしまいがちですが、具体的な根拠を持ってアクションすることが重要です。
GA4全てを使いこなす必要はなく、あくまで売りたいサービスや仮説を立てるために必要な数字だけを抽出してみてください。
GA4を実際に試してみたい方はこちらから、触ってみて下さい。
⇒Google Analytics 公式ページ
一般社団法人ウェブ解析士協会(WACA)理事
井水 大輔 氏
今後もOiF八王子館では様々な企画をご用意しております。
多摩地域等の中小企業の皆様にとって有益な情報を得られる場にしてまいりますので、
今後もぜひご参加ください。