社内のDXが思うように進んでいない・・・という会社の経営層、社員に向けたDXセミナーです。
人材育成や費用面が課題となり、本来進めるべきDXが足踏みしている企業が知っておくべきこれからのDXの進め方と、DX化が実現した後にどのようなメリットがあるかを解説していただきました。
<講師紹介>
ブルーロジック株式会社 代表取締役 島青志氏
■略歴
会計事務所、 IT 企業(株式会社デジタルガレージ)、広告会社(エルゴブレインズ(現ユナイテッド株式会社))を経て、 2010 年に企業コンサルタントとして独立・起業。東日本大震災時には、復興ボランティアとして、街づくりや商店街の復興、ビジネスの再構築の援助などを行い、その時の縁もあり、 2015 年に慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科に入学、システム思考やデザイン思考、アート思考を地方振興やビジネスに活かす手法について学ぶ。 2018 年修了(現在は研究員として研究や学生の指導)。日本STEM教育学会、 日本創造学会に所属。
企業での組織づくりやイノベーション(新製品開発)、 DX 導入に関するコンサルティングや研修を行う。
物事や課題をシステムとして捉え、レバレッジポイントを見出して、課題解決方法をデザインすることが得意
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■目次
1.DXとデジタル化、IT化との違い
2.DX推進に必要なこと(人材、予算、課題発見等)
3.収益向上のためのDXとは
4.DX化のその先に~何を目指すか
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1.DXとデジタル化、IT化との違い
まずは「DXとは?」の基本から。用語は聞くけど、イマイチよく理解できていない、もう一度頭を整理したい、という方のためにも、わかりやすく解説していただきました。
デジタルトランスフォーメーション(DX)とデジタル化、IT化はしばしば混同されがちですが、その違いを理解することがDX推進の第一歩です。
IT化やデジタル化は、主に業務の効率化や省力化を目的とし、データを電子化したり、業務プロセスをデジタルツールでサポートする取り組みを指します。
対してDXは、単なる効率化や省力化、あるいは、レガシーシステムの刷新=DXというわけではなく、データやデジタル技術を駆使してビジネスや企業文化そのものを変革するものです。
経済産業省も、DXは「新しい価値を創出し、収益の向上を図ること」と明確に述べており、単なるシステム導入ではDXは実現しません。
最終的には経営や企業文化そのものを変革していく取組なのです。
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2. DX推進に必要なこと(人材、予算、課題発見等)
企業規模の大小にかかわらず、DX推進において重要なポイントは、人材の育成、適切な予算の配分、そして課題発見能力の強化です。
DXには単なる技術者だけでなく、ビジネス全体を俯瞰し、目的や戦略を明確にできるリーダーシップが必要です。
静岡のきゅうり農家の事例でAIの画像認識プログラムを自作し、効率化を実現した方のように、DXを進めるためには「Why(なぜ)」「What(何を)」「How(どのように)」の3つの問いに沿って、現場の課題に即したアプローチが求められます。
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3.収益向上のためのDXとは
DXの最も大きな特徴の一つは「収益向上」を目的としている点です。
単なるコスト削減のためのIT導入と異なり、DXは新たな価値を生み出し、ビジネスモデルを革新することで利益を増加させることを目指します。
たとえば、ある老舗の飲食店では、DX導入により来客数の予測に基づいた食材管理を行い、利益を50倍に増加させた成功事例もあります。DXが進むと、データに基づく経営が可能になり、従来の直感や経験に頼った判断から脱却できます。
ワークマンの「エクセル経営」も有名ですね。AI導入には大きな費用が必要となり、担当者しかわからないシステムになることで一般社員はデータを受け取るだけになりがちですが、ワークマンではどの社員でもエクセルを最大限活用することができるようにすることで、個々の社員が考えて創意工夫する文化が生まれ、現場主導の組織文化となりました。
その結果が現在の好調な業績につながっていることはよく知られています。
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4.DX化のその先に~何を目指すか
DXは単なる「手段」ではなく、企業のビジョン実現や社会全体の価値創造に貢献するものです。
DXの先に目指すべきは、企業が持続的に成長できる仕組みを構築し、新たなビジネスチャンスを生むことです。
経済産業省が発表したデジタルガバナンスコードでも、「実現したい未来=経営ビジョン」に基づき、全社的なビジネスモデルや組織文化を変革することがDXの核心とされています。
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5.最後に
登壇いただいた島さんからは実際の企業の事例をいくつも用いながら解説いただきました。
DXがなかなか進まない、これから着手しようと考えている企業様も多い一方で、着実に成果を生んでいる企業もたくさんあります。
早い遅いが問題ではないですが、会社の将来を見据えて取り組む必要があると感じている企業様は、自社の課題分析と、目標・アクションを明確にして取り組み始めてはいかがでしょうか。
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今後もOiFでは、様々な内容のセミナー、イベントを企画してまいります。
皆様のご参加をお待ちしております。