「3Dプリント技術に興味はあるけれど経験がない」という方のために、Tinkercad（ティンカーキャド）というソフトウェアを使用した3Dデザインを体験し、実際に3Dプリントを行なう、3Dプリント体験コミュニティイベント「ヨルラボ」の初心者コースを初開催しました。イベントのレポートをお届けします。
■プログラム
①オリエンテーション
・3DプリントとCADデザインの基本を簡単な座学で学ぶ
②Tinkercadの基本操作
・Tinkercadを使用して、簡単な3Dデザインを作成する実習する
③3Dプリントの準備と体験
・デザインを実際に3Dプリンターでプリント
④Q&Aセッション
・3Dプリントやデザインに関して質疑応答
⑤作品のお披露目とフィードバック
・完成した3Dプリント作品を受け取り、作成結果を確認する
⑥まとめ
・今日の学びの振り返りと、次のステップについて
■ファシリテーター
オープンイノベーションフィールド多摩
三木 直哉
オープンイノベーションフィールド 多摩施設運営受託者 統括責任者
カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社所属
活動内容：オープンイノベーションフィールド多摩・国分寺館にて、プロトタイプラボの活用促進を推進。
■初心者向け「ヨルラボ」 誕生！
開発促進プロセスに３Dプリントを取り入れることで生まれる可能性（開発速度の向上、歩留まりの向上など）について検討するため3Dプリント体験コミュニティ「ヨルラボ」を毎月催し、10月には5回目を迎えました。
その中で、より初学者の視点でのサポートと技術の普及へのニーズを感じ、今回の初心者向け「ヨルラボ」誕生となりました。この会では初心者でも参加しやすい「学びと交流の場」を提供することを目指します。
■座学編
まず3Ⅾプリンターに関する易しいクイズからはじまり、3Ⅾプリンターの種類、3Ⅾプリンターの仕組み、3Ⅾプリントの簡単な流れ、拡張子の種類、CADソフト、モデリング手法を学びました。
■実技編
座学編で得た予備知識を役立てながら、作品づくりに挑戦です。
１．データ作成：作りたい物の３Dモデルを作成。３Dプリンター用のデータに変換（STL)
２．３Dプリンターの出力設定：スライスソフトをつかって、Gコードを作成
３．３Dプリント：作成したデータをプリンターに入力・生成
という３段階で進めました。
特に、１段階目の「データ作成」へ注力して、参加者自身ですべて完成させました。
「データ作成」では、Tinkercadを使用し、以下の５つの基本操作を用いて3Dモデル作成しました。
① 図形の追加・削除
② マウス右ボタンでカメラの向きを変更
③ ホイールボタンでカメラの位置変更
④ 図形のサイズ・角度の変え方
⑤ グループ化による結合・分離
参加者が基本操作に慣れたころ、ファシリテーターから本日の課題「縦３㎝×横5㎝×高さ３㎜の名札づくり」が発表され、参加者は思い思いに、基本操作を使いながら30分ほどで3Ⅾモデルを作成してデータに変換しました。
その後の２・３段階目は、ファシリテーターが作業を見せる方法で進めました。参加者が作成したデータを、ファシリテーターが集め出力設定を行い、用意していた３台の3Ⅾプリンターに入力を振り分けて生成となりました。
3Ⅾプリンターは印刷完了まで30分ほどかかるタイプもあり、その間でファシリテーターから3Ⅾプリントが活用されている「フードプリンター」「義足」「住宅」などの具体例が紹介されました。
印刷完了した作品が参加者に手渡された後に、ファシリテーターから「本日の参加者は、初心者から経験者となったこと」が伝えられ、更にテクニカルな内容は11月29日の「ヨルラボ」実践編で学べることを案内されて、終了となりました。
■まとめ
参加者は3Ⅾプリンターへの強い関心や3Ⅾプリントでの明確な目的を持たれた方々が多数集まられました。職種は経営者・会社員・フリーランスなど、業種も製造業だけでなく建設業・卸売業・サービス業など多種多様でしたが、３Ⅾプリンターの仕組みを学び作ってみるという１つのゴールに向けて、交流が行われ活気に満ちた会場となりました。参加者同士でも教え合うような交流も多く見られました。
■参加者の感想
・3Ⅾプリンターが身近になったと感じた
・楽しかった
・入門編としては十分すぎるありがたい内容
・CADでのモデル作成からプリントまでの一連の流れを体験できてよかった
など感想をいただく満足度の高いイベントとなりました。
■最後にお知らせ
11月29日（金）に、3Dプリントの実践編のイベントを開催いたします。
ご興味のある方は、以下をご確認の上、ご応募ください。
お待ちしております！
