■はじめに
八王子エリアの地域事業者や起業家が集まり、地域の未来を共に考える場として、2024年3月から10月にわたり「アイデアソン802」を全8回開催してきました。各回でまとめたアイデアの結晶を、レポートとして報告します。
■イベントの主旨
八王子の地域資源を活用し、オープンイノベーションを通じて新しいアイデアを生み出すことを目的としています。
オープンイノベーションフィールド多摩(OiF)が主催するこのイベントは、地域事業者が気軽に意見交換できる環境を提供し、共創の場を構築することで、八王子の発展に貢献することを目指し、どの会でも近隣の事業者はもちろん時には遠方からもおこしいただき、カジュアルな雰囲気のなか様々なアイデアが生み出されました。
■イベントのルール説明
2つのゴールデンルール、①ご自身の言葉でご発言する②ほかの方のアイデアに否定なし、の中で参加者が発想を広げ良質なアイデアの創出を目指します。各回のセッションテーマに関する質問に、参加者が思い浮かぶだけアイデアを付箋紙に記し、参加者全員のアイデアをホワイトボードに掲示、参加者が自身のアイデアについて発表します。聴く側の参加者は、詳細を発表者に確認して理解を深めます。すべてのアイデア発表後に、進行役がアイデアをカテゴライズして、最後にセッションテーマへ効果の見込めるアイデアを全員で確認する、という方式で進行します。
■セッションテーマについて
第1回は館名でもある「オープンイノベーション」の実現について、第2回から第8回はインターネット社会での顧客の購買プロセスを説明するモデルの【AISCEAS(アイシーズ)】を土台にして、顧客の行動に企業が採るべき対応としました。(毎回1つずつ)
■各回のセッションテーマとハイライト
◆◆ 第1回 2024年3月29日(金)◆◆
セッションテーマ「イノベーション」
オープンイノベーションを促進するために必要な取り組みを議論しました。出会いの場づくりや「古き良き」を大切にする価値観が、地域の新たな発展に重要とされました。
◆◆ 第2回 2024年3月30日(土)◆◆
セッションテーマ「情報発信と顧客獲得」
顧客に響く情報発信の方法について探求し、自分を出し、印象に残る発信が有効と結論付けられました。
◆◆ 第3回 2024年4月25日(木)◆◆
セッションテーマ「ニーズの捉え方」
顧客のニーズをどのように理解し商品やサービスに反映させるかを議論。顧客の声に耳を傾けることが重要とされました。
第3回 アイデアソン802の光景
◆◆ 第4回 2024年5月24日(金)◆◆
セッションテーマ「見込客の検索にヒットすること」
見込客の検索行動への対策がテーマとなり、特異な価値の投稿や八王子に関連するキーワードを活用した検索対策が効果的とされました。
◆◆ 第5回 2024年6月23日(金)◆◆
セッションテーマ「自社が競合対策で選ばれるためには」
地域特性を活かした差別化戦略について議論し、「街づくり」の意識や八王子の文化や歴史を強みにしたPRが有効とされました。
◆◆ 第6回 2024年7月26日(金)◆◆
セッションテーマ「納得を得て契約をする」
顧客が納得する契約対応をテーマに対して、誠実で信頼のある対応が顧客満足度を高める重要な要素であるとされました。
第6回 アイデアソン802の光景
◆◆ 第7回 2024年9月27日(金)◆◆
セッションテーマ「自社のサービスを導入された方にできること」
購入後のアフターサポートについて議論し、長期的な関係構築やコミュニティづくりが効果的とされました。
◆◆ 第8回 2024年10月25日(金)◆◆
セッションテーマ「顕在顧客に自社サービスを高く評価・共有されるためには」
顧客のSNSによる情報発信を促進する方法を議論。定期的な発信や口コミ活用がブランド力向上に寄与すると結論づけられました。
■全8回を通して(総括)
「アイデアソン802」は、八王子の地域事業者同士が自由にアイデアを共有し合うことで、八王子の特性を活かした新しい価値を創造する場として開催されました。
OiFが提供するこの共創の場は、地域資源を活用し、オープンイノベーションを通じて持続的な地域の発展に貢献するための重要な一歩となりました。
各回で集まったアイデアをもとに、地域を盛り上げる新しいアプローチとして活用施設運営に活かしていきたいと思います。 終