レゴシリアスプレイとは?
レゴシリアスプレイ(Lego Serious Play)は、レゴブロックを使ってビジネスや個人の問題解決を行うユニークな手法です。
参加者は、手を動かしながら自分の考えや感情を形にし、他者と共有することで新たな洞察を得ることができます。OiFで4回目となるこのワークショップ、今回はチームビルディングを体験することをテーマにして開催しました。
3月開催のワークショップ
8月開催のワークショップ
9月開催のワークショップ
ワークショップの目的
このワークショップの目的は、レゴブロックを使って、自分の思いや考えを他者に説明したり、他者の話を聴く姿勢が身につくことで、チームビルディングに必要なマインドを得ることです。
8月は「未来の自分をデザインする自己探求」、9月は「自分のキャリアビジョンを具体的に表現」と、「自分」を見つめることがテーマでしたが、今回は趣が変わって「チームビルディング体験」がテーマ。どのような内容になるか楽しみです。
趣が変わったといっても、楽しく参加者同士が交流しながら、自分の考えを説明する、他者の説明を傾聴する、といった姿勢は今までと共通していますが、『チームビルディングを体験し、「相互理解」を身につける』ことが今回のゴールです。
▼ワークショップの流れ
・はじめに
ワークショップの目的と進行方法について説明、レゴシリアスプレイの基本的な使い方を学びます。
・自己紹介とアイスブレイク
レゴブロックを使ってミニゲームで、他の参加者とブロックを通じてコミュニケーションを図ります。自分を表現する肩慣らしですが、この段階で普段眠りかけている右脳を少し使うので、自分が持っているクリエイティビティや直感力が刺激されていきます。
※アイスブレイク・ウォーミングアップで簡単に「塔」を作ります
「いいチーム」の解釈?
ここで緑(不透明)と赤(半透明)の小さなブロックを手に持っていただき、「いいチーム」と聞いた時に「いいチーム」のイメージに近いほうのブロックを直感で選んでいただきます。そしてなぜ緑もしくは赤を選んだのかそれぞれ説明していただくのですが、皆さんの説明を聞いているうちに、「いいチーム」というシンプルな言葉の解釈だけでも、人によってそれぞれイメージが全く違うことに気づかされます。
でもここは正解を求めるものではないのでそれでよいのです。アウトプットしていくことで、それぞれの解釈や価値観があることを認識していく作業です。そして、抽象的な概念を形にしてコミュニケーションを図ることで、互いの意識のズレを修正したり合意形成することがレゴを使ったワークの目的なのです。
「チームに対してあなたが貢献できることは?」
次に講師から指定された複数の作品から、どれか一つを作成していただきました。
作り終えてから講師から出た問いが
『この作品は、「チームに対してあなたが貢献できることを表した作品」としたときにどのように語るか?』
というもの。作品を作った後にお題が出されるので、当然説明は後付けになるのですが、これもこのワークの特徴です。直感的に形にしたものを使って自分の考えを説明して、相互理解をしていきます。
※この中から1つ選んで作成
お互いのイメージについて、レゴを使って形にして言語化する
続いて、参加者同士のことを自分なりにイメージしてレゴで作品を作り、なぜこのイメージなのかを自分の言葉で説明していただきます。ただ、今回の参加者はお互い初対面。しかも誰のことかを伏せて発表します。
発表者以外は作品を見ながら意味を探しながら質問してイメージに対する理解を深めていきます。今回はチームビルディングを体験するワークなので、チームのメンバー同士が理解しあうにはとても理にかなった手法です。
こうして簡単なテーマから少しずつ深堀したテーマに移行することで、イメージのアウトプットと言語化を図りつつコミュケーションを深めていきます。
▼チームビルディング
そして今回のテーマであるチームビルディング。
まずは「私にとって理想のチーム」をそれぞれレゴブロックで形にして発表します。当然ながら、参加者の皆さんが持つ「自分が理想とするチーム」のイメージは違います。初対面だから、ということではなく、普段職場で同じ環境にいる仲間でも、いざこのテーマで話し合うとそれぞれが持つ理想は違うのではないでしょうか。
各参加者の発表と質問が終わった後が本題です。
発表していただいた各自の「理想のチーム」像のレゴ作品の中でも、最も大切にしたい部分、これだけは譲れない!という部分を残してもらいます。残した部分=これを尊重してもらえないならチームとして一緒に働けない、という個々の信念となる部分です。
吟味して自分が大切にしたい部分を残してもらってから、いよいよ
「私たちがつくりたい 理想のチーム」
について話し合います。
それぞれが大切にしたい部分を尊重して残しつつ、対話を通してどのように一つのチームにまとめていくか。
これって職場でチームを作るうえでも、とても重要なプロセスではないでしょうか。
チームビルディングが上手くいかないのは、こういった対話や尊重のプロセスが欠けていることも一因かもしれませんね。レゴブロックを使ったワークだったからこそ、実社会での課題もわかりやすく見えたといえます。
ここは正解を求める場ではありませんでしたが、言語化や対話などのプロセスについて新しい視点からの気づきを得ることができるという意味でも、非常に有意義なワークでした。
今回参加できなかった方も、次の機会がありましたら是非参加してみてください。
■登壇者
ワークショップデザイナー 加藤 正義 氏
■経歴
三重県出身。
- 大手IT企業に入社後、開発部門、コーポレート部門を経てエンジニアからデザイナーへ転身。
- ワークショップデザイナーとして、対話による創造的な場づくりを10年以上経験し、現在は大企業で働きながらパラレルキャリアにも挑戦している。
- LEGO® SERIOUS PLAY®やマインドマップ®といったクリエイティブ・メソッドの可能性にいち早く着目し、アタマと組織をクリエイティブにする方法を日々研究・実践中。