レゴシリアスプレイとは?
レゴシリアスプレイ(Lego Serious Play)は、レゴブロックを使ってビジネスや個人の問題解決を行うユニークな手法です。
参加者は、手を動かしながら自分の考えや感情を形にし、他者と共有することで新たな洞察を得ることができます。
OiFで3月以来2回目となるこのワークショップ、今回は新たな自分と未来の可能性を探求することをテーマにして開催しました。
3月開催のワークショップ
ワークショップの目的
このワークショップの目的は、レゴブロックを使って、自分の思いや考えを他者に説明したり、他者の話を聴く姿勢を身につけること。
今回は未来の自分をデザインする自己探求を行います。新たな視点から自分の可能性を見つけ出し、クリエイティブな方法でキャリアプランを構築します。
楽しく参加者同士が交流しながら、自分の考えを説明する、他者の説明を傾聴する、といった姿勢は前回と共通しています。
▼ワークショップの流れ
・はじめに
ワークショップの目的と進行方法について説明、レゴシリアスプレイの基本的な使い方を学びます。
・自己紹介とアイスブレイク
レゴブロックを使ってミニゲームで、他の参加者とブロックを通じてコミュニケーションを図ります。まずは気軽にということでタワー(塔)を作ってみます。自分を表現するウォーミングアップですが、この段階では右脳を少し使うので、自分が持っているクリエイティビティや直感力が刺激されていきます。
説明は、人ではなく作品を見て、作品の特徴を指でなぞりながら思いついたまま語ります。聞く方も人ではなく作品を見るのですが、なぜ人を見ないで話すかというと、このワークに仮に上司がいたとすると、相手の目を気にして発言内容が変わることがあるので、そういったことを避けるためです。仕事上では、自分が思ったことを思ったまま話すことはできないことも多いですが、ここでは自分の考えを説明・表現することに集中し、聞く側は作品を見ることで目から、聞くに徹することで耳から、それぞれ情報を収集して、話す側の情報を正確に知ることでコミュニケーションを図ります。
・「質問に対するフィードバックをする」ことで自分の考えを言語化する
いくつかの簡単なテーマで徐々に説明に慣れてきたところで少し趣旨を変えていきます。ここまでは自分の作品をプレゼンする手法でしたが、ここからは他者から質問を受けてそれに答えるワーク。やり方としてはYES/NOで答えられるものではなく、受け手が自由に答えられるように質問していきます。
具体的には作品の色や形などについてその部分を指しながら「なぜそうしたか」を質問するわけですが、答える側は後付けの理由でもいいので、作った時に自分の無意識下にあった考えを引っ張り出してフィードバックするようにします。そうすることで自分なりの気づきも生まれてきます。
ちなみにこのワークでは「特に意味はありません」という言葉はNGワードです。
無意識下にあった考えを質問に答えることで言語化していく・・・と言葉で書くと難しいことに感じますが、意外と皆さん後付け理由も含めて、フィードバック自体はできていました。無意識とはいえ、普段から直感で行なっていることは、各個人の知識や経験から正しいと思っていることが咄嗟に行動として出るとことがほとんどですよね。日常の中ではそれを都度言語化することはないですが、それをあえて言語化するようなイメージです。
ただし、フィードバックはできているものの、それを自分の言葉で相手にわかりやすく伝える、となると無意識に行なっていることを整理しながら話す必要があります。この段階で自分の無意識を深掘りすることで、新たな視点や自分の可能性を見つけ出すことにつながっていくように感じました。
・人生において大切にしてきたことを言語化する
新たな視点から自分の可能性を見つけることが今回のテーマですが、そのために「人生において大切にしてきたこと(コアとなるアイデンティティ)」を、作品を使って表現してもらいました。また「もう一つの理想の人生」というテーマについても作品をつくりましたが、ウォーミングアップから何度かアウトプットを試みているうちに、皆さんの作業も慣れてきて作品づくりがスピードアップし、自分のイメージの具現化と言語化ができるようになってきました。
そして最初は温まっていなかった参加者同士の雰囲気も、互いの思いの言語化や質問によるコミュニケーションを通して、自然に交流が図れるようになっていました。
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▼最後に
テーマについて各参加者がどんな発表をしたか・・・については、皆さんそれぞれが現在抱えていることや心の奥底に閉じ込めていることが反映された内容でしたので、ここではお伝えしないでおきます(笑)。
何にも制約されないワークショップですので、周りの人の顔色を窺うことなく、普段心の奥底に眠っている(閉じ込めている)自分の考えを抑えることなく、皆さん話すことができたのではないでしょうか。
正直に話すことができたからこそ、参加者同士での交流も生まれる・・・そう感じたワークショップでした。
今回参加できなかった方も、次の機会がありましたら是非参加してみてください。
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■登壇者
ワークショップデザイナー 加藤正義氏
■経歴
三重県出身。
・大手IT企業に入社後、開発部門、コーポレート部門を経てエンジニアからデザイナーへ転身。
・ワークショップデザイナーとして、対話による創造的な場づくりを10年以上経験し、現在は大企業で働きながらパラレルキャリアにも挑戦している。
・LEGO® SERIOUS PLAY®やマインドマップ®といったクリエイティブ・メソッドの可能性にいち早く着目し、アタマと組織をクリエイティブにする方法を日々研究・実践中。