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ネット社会に立ち向かうためのネットリテラシー講座


2024年11月29日、「ネット社会に立ち向かうためのネットリテラシー講座」をテーマにしたセミナーを開催致しました。

本講座は、情報社会の中で重要性が増すネットリテラシーについて、企業や教育関係者を対象に具体的な実践法を学ぶことを目的としております。
講師は日本メディアリテラシー協会の代表 寺島 絵里花 氏。 講義ではSNSの現状、情報の取捨選択のコツ、炎上リスクへの対処方法など、多岐にわたる内容についてお話しいただきました。


ネットリテラシーの基本と必要性

ネットリテラシーとは、インターネット上の情報を正確に理解し、適切に活用する能力を指します。
寺島氏は「特に情報が氾濫する現代では、誤情報に惑わされない能力や、情報発信時の倫理観が求められる」と説明しました。


また、SNSでのトラブルや炎上事例が頻発する中、子どもから大人まで、幅広い世代がこの能力を身につける必要性があると述べ、
ネットリテラシーの普及が個人だけでなく社会全体の安全性や信頼性向上に寄与すると強調しました。


メディアリテラシー協会での具体的な取り組み事例

講座では、寺島氏が代表を務めるメディアリテラシー協会では以下のような取り組みがなされていると紹介されました。

  1. 子どもへの教育支援
    小中高生向けにSNSの危険性やリテラシーの重要性を教える授業を年間100本以上実施。
  2. 保護者支援
    PTAや地域イベントを通じて、家庭での子どものネット利用をどう管理するかについて啓発活動を実施。
  3. 教員研修
    教育委員会の依頼に基づき、SNS教育のノウハウを全国の教員に提供。
  4. 企業研修
    新入社員教育や公式アカウント運用方法に特化したセミナーを展開。SNS利用時のリスク回避法も指導。
  5. 行政やシニア向け支援
    地域社会におけるネットの活用方法やデジタルリテラシー教育を実施。特にシニア世代への支援が好評。


子供世代にむけた授業を画一的に教えることはできますが、保護者は20代から50代まで幅広い年齢の方がおり、ネットに関する各ご家庭での捉え方も様々、課題にあった啓発が求められています。

教員向けでも「ギガスクール教育」が始まり各担当者向けの研修、企業ではSNSに慣れた新入社員に対しての「企業研修」など、様々なネットリテラシーに関する日々の活動における現状や課題をご紹介しました。


トリプルメディアの活用と注意点

講座の中で、現代の情報発信における「トリプルメディア」の重要性が強調されました。
この概念は、以下の3つのメディアで構成されています。

  1. オウンドメディア
    自社が保有するメディア(ウェブサイト、ブログ、パンフレットなど)で、消費者に正確な情報を提供する役割を担います。消費者が自分から情報を取得にいくメディア。
  2. ペイドメディア
    テレビやウェブ広告など、企業が費用を投じて行う認知拡大活動。新製品やサービスの周知に効果的です。情報を発信し消費者の購買行動を促すメディア。
  3. アーンドメディア
    SNSや口コミを通じて消費者が自発的に広める情報で、商品の信頼性や価値を高める上で重要です。現代のメディアでは最重要の項目。

寺島氏はこれら3つのメディアを適切に活用することで、企業や個人の情報発信がより効果的になると述べました。
また、情報を消費する側がこれらのメディアの役割を理解することで、情報の取捨選択が容易になるとも指摘しました。


ネット社会の課題と炎上への対応策

SNS上の炎上は企業や個人に深刻な影響を及ぼすことがあります。
講座では、具体的な炎上事例が紹介され、その対策として次のような方法が挙げられました。

  • 初動対応の重要性: 問題の原因を特定し、速やかに事実を公表。
  • 投稿削除の慎重さ: 証拠として投稿を残しつつ、必要に応じて適切な説明を付け加える。
  • 謝罪と再発防止策の提示: 公式声明を通じて信頼回復を図る。


炎上の防止には、普段からの情報発信での注意やリスク管理が欠かせないことも指摘されました。


企業におけるSNSを活用した成功事例

SNSを積極的に活用して成功している企業も紹介されました。
警備会社がTikTokを活用して認知度を上げた事例や、洗剤メーカーがSNSで豆知識を発信することで商品の購買意欲を高めた事例などが挙げられました。

現在SNSの活用に苦戦されている企業の方は、まずは同業界で成功している企業のSNSを参考にして始めてみてください。


まとめと今後の展望

ネットリテラシーは、現代社会を安全かつ効果的に生き抜くための基礎力です。
本講座を通じ、参加者は自らの生活や職場で実践できるネットリテラシーの具体的な知識とスキルを得ることができたのではないでしょうか。
寺島氏は、今後も国内外でリテラシー教育を推進し、情報社会における新しい価値創造を目指すと語りました。

 


一般社団法人 日本メディアリテラシー協会代表理事
寺島 絵里花 氏

 


 








 

  • 「日本メディアリテラシー協会」の設立者であり、学術的な知識と親としての実体験を兼ね備える。
  • メディア情報リテラシー教育の分野で活動し、過去8年間で500回以上の講演やワークショップ、研修を行い、約8万人の親、子ども、学生が参加。
  • 行政、企業、学校を対象とした活動を通じて、メディアリテラシーの向上に貢献。 ニューヨークタイムズ、日本経済新聞、朝日小学生新聞、致知出版などから取材を受け、その専門知識が評価されている。



今後もOiF八王子館では様々な企画をご用意しております。

多摩地域等の中小企業の皆様にとって有益な情報を得られる場にしてまいりますので、今後もぜひご参加ください。


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