SDGsを「理念」から「経営戦略」へ
本イベントでは、SDGsを単なる社会貢献活動や理念として学ぶのではなく、「事業にどう活かすか」という実践的な視点で再整理しました。
まずはSDGsの基本概念を確認するとともに、ESG投資の拡大や大企業の調達基準の変化など、企業経営に与える影響を整理。SDGsへの対応が、企業価値や競争力にも直結する時代背景を共有しました。
さらに、江戸時代の循環型社会を例に、「使い切る」「素材を活かす」「循環させる」という歴史的視点からの再解釈を提示。現代の中小企業経営に応用可能な考え方として、資源を活かす視点の重要性が示されました。
多摩地域の具体事例から学ぶ価値創出のヒント
本セミナーでは、多摩地域の企業による実践事例を取り上げ、廃棄物の再資源化、新素材の開発、地域文化との連携など、社会課題と自社の強みを掛け合わせることで新たな価値を創出している取り組みを紹介しました。
これらの事例を通じて示されたのは、「社会課題 × 自社資源 = 新しい価値」という構図です。
SDGsへの取り組みは、コストや負担として捉えるのではなく、自社の競争力を高める戦略へと転換できる可能性があることが共有されました。
具体的な地域企業のストーリーを通じて、中小企業でも実践可能なモデルとして理解を深める機会となりました。
ワークショップで発想を広げる
後半では、架空の企業設定をもとにワークショップを実施しました。
参加者自身の企業課題を扱うのではなく、あらかじめ設定された企業像を題材に、社会課題や未利用資源をどのように掛け合わせられるかを検討しました。
参加者は、建設業、製造業スタートアップ、コンサルティング業など、いずれも経営層。
それぞれの経験や視点を活かしながら、想像力を働かせてアイディアを出し合い、議論を深めました。
実在企業ではないからこそ、既存の制約に縛られず、柔軟な発想が生まれ、SDGsを経営戦略に結びつける思考プロセスを体験する機会となりました。
まとめ
本イベントを通じて、SDGsを社会的責任として受け止めるだけでなく、自社の強みや未利用資源と掛け合わせることで新たな事業機会を創出する視点を共有しました。
社会課題を制約ではなく可能性として捉え直すことで、中小企業でも実践可能な価値創出モデルが見えてきます。
本セミナーは、オープンイノベーションフィールド多摩 国分寺館において開催され、SDGsと経営を結びつける実践的な学びの場となりました。
今後も、地域企業の具体事例を通じて、新たな挑戦を後押しする機会を提供してまいります。
中小企業診断士 防災士
ラジオTAMAリバー パーソナリティ
丸山 美佳 氏
【略歴】
ICTメーカーのマーケティング部門で販促企画、イベント運営、ユーザー会事務局などを担当。震災復興支援やBCP策定、社会貢献活動など、SDGsにつながる現場実践を積む。独立後は多摩地域での事業者伴走支援、展示会・ビジネスマッチング支援、地域活性のための「まちゼミ」支援等に従事する一方、「SDGsと日本文化」をテーマに研究・論文執筆を進めている。
【講演実績】
「アートとSDGs」「コミュニティラジオを通じて感じる多様な社会」など
【所属】
一般社団法人東京都中小企業診断士協会 三多摩支部 地域支援部
一般社団法人多摩経営工房(多摩ラボ) SDGs研究会/製造業研究会
ラジオTAMAリバー パーソナリティ