ワンパーパス株式会社 代表取締役の米澤智子氏を講師に迎えたワークショップが実施されました。本イベントは、メディア掲載を目的としたプレスリリースの作成方法を体系的に学ぶ機会として開催しました。
現代の情報環境における広報PRの役割
広報PRを「企業や団体が社会と良好な関係を築くための活動」と定義しました。 デジタル社会およびAIの普及に伴い、広報の役割は大きく変化しています。 これからの広報活動には、AIが参照する正確な一次情報をインターネット上に残し、メディアによる第三者評価を蓄積することで、未来の顧客や取引先が「選んでいい理由」を確認できる状態をつくることが求められます。 米澤氏は、こうした取り組みを「未来への信頼貯金を貯めていく活動」と解説しました。
メディアが注目する「ニュースの切り口」
プレスリリースを記事化に繋げるためには、メディア側の視点を理解することが不可欠です。 記者が注目する主要な切り口として、業界初や新しい取り組みを指す「新奇性」、社会的トレンドや季節性との合致を指す「タイミング」、そして所在地や実施場所が担当記者の管轄エリアに合致する「地域性」が挙げられます。 これらに加え、驚きや意外性といった「異常性」の要素を織り交ぜることが、記者の関心を引くポイントとなります。
実践的なプレスリリースの構成と配信実務
ワークショップでは、具体的な作成方法とメディアへの届け方が詳しく解説されました。
プレスリリースの構成においては、客観的な事実(What)に加え、社会課題の現状とそれに対する発信者の思い(Why)を盛り込む必要があります。 これにより、単なる商品の広告とは異なるストーリー性が生まれ、差別化に繋がります。 また、情報の到達率を左右するタイトルについては、日付・地域・内容を盛り込み、30文字以内を目安に事実を淡々と伝えることが基本とされます。
配信の実務に関しては、イベントの告知リリースは開催日の2週間前(14日前)を目安に行うのが適切です。 情報の届け方には、以下の手法が紹介されました。
- プレスリリース配信サービスの利用
- 自治体等の記者クラブへの直接持ち込み
- 個別の記者への電話、FAX、郵送によるアプローチ
取材対応の心得とメディアの権利
取材依頼への対応では、記者の質問に迅速に応える「即レス」の徹底が挙げられました。 迅速な対応が、その後の良好な関係構築に繋がります。 同時に、メディア側には報道内容を最終決定する「編集権」があるため、企業側が内容をコントロールしようとせず、記者の視点を尊重することが基本原則であるとお話しされました。
まとめ:中小企業が取り組むべき戦略的広報
今回のワークショップを通じて、プレスリリースは単なる告知ツールではなく、社会との信頼関係を構築するための重要な経営戦略であることが示されました。特にリソースが限られる中小企業においては、AI時代に対応した正確な一次情報の発信と、メディア視点に立った社会性のあるストーリー作りが、持続的な成長を支える鍵となります。
「正しいタイミングと適切な手法で発信を継続していくこと」を開始するきっかけづくりになればと思います。
ワンパーパス株式会社
代表取締役
米澤 智子 氏
・中小企業診断士
・一般社団法人PRプロフェッショナル協会認定 PRプロデューサー
・PRTIMES公認プレスリリースエバンジェリスト
地方銀行・中小企業支援機関・クラウドファンディング企業で、一貫して中小企業の資金調達を支援。
新規事業の認知度拡大に課題を持つ中小企業が多かった課題感から、「地域産業を支えるローカルブランド企業を、広報PRで100年先まで残す」をミッションに、2022年ワンパーパス株式会社を設立。
主に従業員100人未満の製造業・小売業や学校法人等で広報PRの支援実績があり、直近1年間でのメディア掲載実績は70件以上。
特にBtoB企業の信頼性を高める、新聞や業界専門紙等との濃密なリレーション作りを得意とする。
PR TIMES公認プレスリリースエバンジェリストとして、商工会議所・行政機関等でのプレスリリースセミナーも積極的に開催。
オープンイノベーションフィールド多摩では、これからも中小企業の経営改善にお役に立てるような企画を準備していきます。次回開催されるイベントでお目にかかりましょう。
スタッフ一同、国分寺館・八王子館でお待ちしております!!