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無料ツールで現場を変える!中小企業にすぐ活かせるDX塾~STEP2:ハンズオンワークショップ~開催レポート


はじめに

2025年11月19日、OiF多摩 八王子館にて「無料ツールで現場を変える!中小企業にすぐ活かせるDX塾~STEP2:ハンズオンワークショップ~」が開催されました。
登壇者はグリッターテクノ株式会社の山下悟郎氏です。シリーズ全3回の中で、今回のSTEP2では「現場で使えるデジタルツールを、実際に手を動かして体験する」ことをテーマに進められました。
参加者は製造業を中心に、コンサルティング業、求職中の方など幅広く構成されており、多様な視点から現場の課題とデジタル化の必要性を共有する回となりました。


1.製造業が抱える課題と、DXの前提


山下氏はまず、製造業の現場で多くの企業が抱える共通課題として、情報の分散と共有の遅れを挙げました。
紙やExcelが混在し、どれが最新情報なのか分からない。属人的な業務が多く、引継ぎに時間がかかる。現場ではこうした"情報の点在"が作業負担を増やし、生産性の低下を招いています。

今回のワークで扱う内容は、こうした課題を踏まえ、以下の4つがゴールとして設定されました。
•    Webページの作成と公開
•    情報を一元管理するデータベースの作成
•    業務で使える議事録・タスク管理の仕組み構築
•    AIと動画を活用したマニュアル作成と翻訳

これらはすべて、情報を「点」ではなく「流れ」に沿って整理し、業務全体を見える化するための要素です。

Step 1:Webページを使った"情報発信のデジタル化"

最初のハンズオンでは、自社紹介ページを作成し、そのページをWeb公開するまでの流れを体験しました。
参加者は画像や文章を配置してページを作成し、共有メニューからワンクリックでWeb公開まで行います。作成したURLをスマートフォンで閲覧し、その場でページが見られることを確かめるという流れです。
山下氏は、従来のWeb制作のようにHTMLやサーバー設定を扱わずとも、文書を作る感覚でページ作成と公開ができる点を強調しました。中小企業にとって、情報発信の負担が大幅に軽減される実感を得られるワークとなりました。


Step 2:訪問管理、来客対応、会議室予約、議事録を"1つ"にまとめる


続くハンズオンでは、訪問、来客、会議室予約、議事録をまとめて管理するデータベース作成に取り組みました。
参加者が作成したデータベースには、以下の項目が設定されました。
•    訪問先
•    会議日時
•    参加者
•    会議種別
•    進捗ステータス

作成後は、ビュー切り替えを使って予定を一覧化したり、カレンダービューで会議室の空きを可視化したり、フィルターで「今週の自分担当分」を抽出するなど、業務に直結する操作を体験しました。
山下氏が実際に画面を操作しながら、営業行動管理、会議予定、議事録が同じページで扱えること、ビュー切り替えだけで情報の見せ方が変わることを実演しました。
結果として、単なるメモではなく、データベースとして整理された情報は、見せ方を変えるだけで複数の業務用途に使い回すことができるという体験につながりました。

Step 3:AIと動画を組み合わせた"実用マニュアル作成"

後半では、AIと動画サービスを連携させた業務マニュアル作成に取り組みました。

1.    作業手順を撮影した動画をYouTubeに登録
2.    AIサービスに「マニュアル化してほしい」と指示
3.    必要に応じてスクリーンショットや補足説明を追加し、マニュアルとして仕上げる

生成したマニュアルや動画はデジタルツール内に格納し、技術継承や新人研修、引継ぎ資料としてまとめて管理することができます。
山下氏は、従来なら専用システム導入に高額な費用がかかっていた作業でも、デジタルツールとAIを組み合わせることによって低コストで実現できるようになってきています。


2.データを「点」ではなく「仕組み」で扱うという考え方


終盤では、議事録をAIが文字起こしし、それをデータベース化して蓄積していく実演が行われました。
ここで山下氏が繰り返し強調したのは、個々のツールを単体で使うだけでなく、業務の流れに沿ってデータベース同士を結びつけ、全体として運用することの重要性です。
単一のアプリを便利に使うことはできても、組み合わせて仕組み化することで、業務の見える化、標準化、引継ぎの容易化が飛躍的に進みます。


まとめ:現場の課題を"デジタルで小さく変える"ことからDXは始まるまとめ

今回のワークショップは、
•    情報発信をデジタル化する
•    業務情報を一元管理し、見せ方を柔軟に変える
•    AIと動画を活用して技術継承の仕組みを整備する
という流れでDXに挑戦いただきました。

山下氏が最後に述べた通り、デジタル化は一気に変えるものではなく、まずは一つの業務から改善し、うまくいった方法を横展開することが現実的です。
"まずは小さく"。
その積み重ねが、現場が納得して続けられるDXにつながっていきます。
2月には講師の山下氏に導入においてなんでも質問ができる相談会を実施します。
是非ご参加お待ちしております!



グリッターテクノ株式会社 代表取締役
山下 悟郎 氏

  • ■経歴
  • 2008年~外資系メーカーにてプラント向け省エネ提案に従事。
  • 2022年にサラリーマンから個人事業承継。八王子の金属部品加工業、グリッターテクノ株式会社を承継する。
  • その後2023年、2024年にも小規模の製造業を事業承継し、現在3社の経営を手がける。
  • 1社目を承継した際、昔ながらの紙とFAXおよびExcelでの管理に危機感を覚え、Notionを活用した独自の生産管理システムを開発。現在は3社共通のプラットフォームとして活用している。
  • 図面データ、見積、生産管理から管理会計まで一貫したシステムを構築し、PC未経験者でも3ヶ月程度で習得できる使いやすさを実現。複数の町工場を効率的に経営するための事務負荷の低減及び業務の効率化に成功している。
  • この経験を活かし、中小製造業のデジタル化支援や、事業承継に関するコンサルティングも行う。町工場の持つ力を最大化することをミッションに掲げ、中小製造業の支援と事業継続の両立に取り組んでいる。



今後もオープンイノベーションフィールド多摩 八王子館では多摩地域の中小企業の皆様にとって有益な情報を届けてまいりますので、足をお運びください。


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