はじめに
2025年4月に施行される「東京都カスハラ防止条例」を目前に、企業や店舗が“従業員を守る”ためにできる実践的な対策を学ぶセミナーを開催しました。
中小企業診断士の戸田哲也氏をお招きし、法制度の要点整理にとどまらず、現場のリアルな事例紹介やマニュアル整備のポイント、そして自社での取組を考えるグループディスカッションを通じて、実践に直結する学びを提供しました。
理論と現場の両輪で学ぶ「カスハラ対策の本質」
前半は、戸田氏が「カスタマーハラスメント(カスハラ)」の定義や背景を丁寧に解説。過剰要求・SNS拡散による風評被害などの問題が、どのような影響を与えているのかを明らかにしました。
続いて、2025年施行の東京都カスハラ防止条例を中心に、事業者に求められる具体的な6つの取組(方針明確化・相談窓口設置・マニュアル整備など)を紹介。全国的な条例制定の流れも踏まえ、今後の対応の方向性を共有しました。
グループディスカッションで「想定されるカスハラ」を考える
講義の合間には、「自社で想定されるカスハラ行為」「条例をどう自社運営に活かすか」をテーマにディスカッションを行い、実際の現場で起こりうるケースや課題を整理しました。
互いの業種や立場を超えた意見交換を通じて、現場での“守り方”と“伝え方”を考える時間となりました。
事例から学ぶ “従業員を守る仕組み”
後半は、百貨店・飲食・美容業などの事例を取り上げ、「早期報告・複数対応・記録の徹底」が被害防止の鍵であることを確認しました。具体的な方法として、役割分担や連絡網、チャット共有など、規模に応じた現実的な体制づくりのヒントを紹介しました。
「従業員も守る」という企業姿勢を明確に発信することが、結果として顧客満足度やブランド価値の向上にもつながるという戸田氏の力強いメッセージが印象的でした。
オープンイノベーションフィールド多摩では、今後も幅広い学びの場を提供し、共創の輪を広げるイベントを展開していきます。
中小企業診断士
戸田哲也 氏
【経歴】
広島県福山市出身。 1986年、中央大学商学部卒業。中小企業診断士、宅地建物取引士、販売士1級、事業再生士補、認定経営革新等支援機関。
大学卒業後、株式会社大和銀行(現りそな銀行)に勤務し、営業店・本部において法人営業、不動産業務、企業年金コンサルティング等を担当。
その後、株式会社サンシャインシティにて商業施設運営、コンベンション事業、施設管理など幅広い業務に従事。
2015年に中小企業診断士登録、2023年に独立。
現在は世田谷区産業振興公社、港区産業振興センター、中小機構、東京都中小企業振興公社などの公的機関で、創業支援、販路開拓、事業承継、事業再生など幅広い経営課題に対応。
民間においても、資金調達、販路拡大、CX向上、新事業進出、事業計画策定、補助金申請支援などの支援を行っている。
カスタマー・ハラスメント防止をテーマに、公的機関や商業施設向けのセミナー講師を務め、現場事例を交えた初期対応のポイントやマニュアル整備の重要性を解説。小売・飲食・サービス業を中心に、従業員を守る体制づくりと組織力向上を支援。
〔保有資格〕
中小企業診断士(経済産業大臣登録)
宅地建物取引士(大阪府知事登録)
販売士 1 級(日本商工会議所)
事業再生士補(日本ターンアラウンド・マネジメント協会)
認定経営革新等支援機関(中小企業庁)
〔現在の職務(公的機関等)〕
世田谷区産業振興公社:経営相談員、経営支援コーディネーター、創業セミナー講師
港区産業振興センター:窓口相談員、出前経営相談員、創業アドバイザー
独立行政法人 中小企業基盤整備機構:中小企業アドバイザー(実務支援)、同(経営支援)、同(地域創業支援)
東京商工会議所 世田谷支部:窓口相談員
東京商工会議所 ビジネスサポートデスク(東京セントラル):地域持続化支援事業 派遣専門家
東京都中小企業振興公社:事業承継・再生支援事業 専門家
東京都中小企業振興公社:事業環境変化に対応した経営基盤強化事業 派遣アドバイザー