ベント通信

  1. 八王子館トップ
  2. イベント通信
  3. 八王子館
  4. 中小企業のための技術シーズ・開放特許マッチング会開催レポート

中小企業のための技術シーズ・開放特許マッチング会開催レポート


はじめに

2026年3月16日、オープンイノベーションフィールド多摩 八王子館にて「中小企業のための技術シーズ・開放特許マッチング会」を開催しました。
本イベントは、大企業や大学が保有する「開放特許」や「技術シーズ」を中小企業に紹介し、新製品開発や新規事業創出のきっかけを生み出すことを目的とした取り組みです。
中小企業にとって、新しい技術を自社だけで開発するには時間やコストが大きな課題となります。一方で、大企業や大学の研究機関には、すでに実用化の可能性を持つ技術や知財が数多く存在しています。こうした技術を活用することで、開発期間の短縮や製品の差別化につながる可能性があります。

今回のイベントでは、東京都知的財産総合センターによる知財マッチングの解説とともに、大企業や大学が保有する技術シーズや開放特許が紹介されました。中小企業が外部技術を活用する際の考え方や、連携の可能性を知る機会となりました。

第1部 知財マッチングセミナー


開放特許を活用した技術連携の可能性

第1部では、東京都知的財産総合センター 製品化コーディネーターの葉騰健太氏によるセミナーが行われました。テーマは「開放特許の活用と知財マッチング」です。

開放特許とは、大企業や研究機関が保有する特許のうち、外部企業との連携やライセンス提供を前提として公開されている技術を指します。こうした技術を活用することで、中小企業は自社単独では取り組みにくい分野の技術開発にも挑戦することが可能になります。
セミナーでは、知財マッチングの仕組みや、開放特許を活用した製品化事例などが紹介されました。
その中で強調されていたのは、「すべての技術を自社で開発する必要はない」という考え方です。すでに存在する技術を活用することで、開発にかかる時間やコストを抑えながら、新しい製品やサービスの開発につなげることができる可能性があります。

また、東京都知的財産総合センターでは、中小企業が抱える技術課題の整理や、技術シーズとのマッチングを支援する取り組みを行っています。こうした支援を活用することで、中小企業が知財マッチングに取り組む際のハードルを下げることができることが紹介されました。  


第2部 技術シーズ・開放特許ピッチ

第2部では、企業や大学が保有する技術シーズや開放特許について、ショートピッチ形式での紹介が行われました。

今回登壇したのは、NTT株式会社、ライオン株式会社、一般財団法人NHK財団、帝京大学の4機関です。それぞれが保有する技術や研究成果について、中小企業との連携可能性を意識した形で紹介が行われました。  


NTT株式会社  


NTT株式会社からは、NTT研究所が開発した多彩な技術シーズが8件紹介されました。通信・IT分野にとどまらず、防錆効果を高めた塗料技術や、磁性シートを用いた触覚提示技術、プロジェクターの影パターンで印刷物が立体的に浮かび上がる視覚技術など、製造業や教育・エンターテインメント分野への応用が期待される技術が中心でした。また、遠隔地に振動をリアルタイム伝送する「リモートハイタッチ技術」や、スマホ連動で任意量の液体を計量できるIoTボトルキャップなど、生活・医療・福
祉領域への展開を見据えた技術も紹介されました。


ライオン株式会社


ライオン株式会社からは、食品・医薬品事業の見直しに伴い使用されなくなった技術特許を開放する形で、7件の特許が紹介されました。ロコモティブシンドローム(運動器症候群)の予防・改善を目的とした機能性食品の開発特許が多く、顆粒・粉末・ドリンク・チュアブルなど多様な剤形の技術が中心でした。また、微生物の繁殖を根本から抑える複合抗菌消臭技術も紹介され、食品分野にとどまらず衛生用品分野での活用も期待される内容でした。


一般財団法人NHK財団  


制一般財団法人NHK財団からは、放送法に基づきNHKが保有する技術の一般提供の一環として、4件の技術シーズが紹介されました。声質を変えずに話速を調節できる「話速変換技術」、3種のAIを組み合わせて白黒映像を自動カラー化する技術、低解像度の端末でも8K映像の解像度を落とさずズーム視聴できる「8Kズーム視聴技術」、横型映像から縦型動画を自動生成する技術など、映像・音声処理を得意とする技術が揃っていました。テレビ・ラジオ受信機への組み込みや語学学習ツール、教育・医療分野での活用など、幅広い応用が想定される内容でした。


帝京大学


帝京大学からは、医療・ヘルスケア分野を中心とした技術シーズが紹介されました。複数の眼科検査を一台で行える複合眼科検査機器、救急救命士の教育用に開発された人体装着型シミュレーションキット(製造・販売パートナーを募集中)、医療従事者の被曝を防ぐ放射線防護板など、臨床・教育現場から生まれた実用的な特許が多い点が特徴でした。発明者自身がベンチャーを設立して大学から技術をライセンスするケースも紹介されるなど、産学連携の新しい形を示す内容でもありました。  


まとめ

複数の機関が短時間で技術を紹介する形式により、参加者はさまざまな分野の技術シーズや開放特許に触れる機会となりました。

この後のプログラムでは、紹介された技術について登壇機関と参加者が直接意見交換を行う場が設けられ、より具体的な連携の可能性について相談が行われました。
今後もオープンイノベーションフィールド多摩では企業同士、大学機関を繋ぎ、製品開発など企業発展に繋がる場を継続してまいります。  



 
 
今後もオープンイノベーションフィールド多摩 八王子館では多摩地域の中小企業の皆様にとって有益な情報を届けてまいりますので、足をお運びください。


関連記事

から関連する記事を表示しています。